背中の肉離れ

背中の肉離れは背中にある僧帽筋などに局所的な肉離れを起こす疾患で、背中の片側に引き裂かれるような鋭い痛みを伴います。

強い捻りや回転動作を伴うサッカーや、アイスホッケーなどでよく見られる疾患です。 なお、肉離れは断裂の程度により痛みの程度や治療方法が異なる特徴があります。

原因・症状

背中で肉離れを起こす場合、その多くが「僧帽筋」や「広背筋」の端の部分で起こります。 この部分に肉離れを起こす原因は激しい捻りや回転動作を繰り返し行うことです。 これにより筋肉の緊張が限界に達し、断裂を起こしてしまうのです。

そもそも肉離れとは筋繊維が断裂している状態をいい、断裂の程度を数字で表します。 まず、ほぼ断裂がないものはⅠ、筋肉の部分断裂があるものをⅡ、筋肉が完全断裂したものをⅢと分類していきます。

肉離れの症状は分類ごとに異なりますが、どの状態にも共通して激しい痛みが伴います。 その痛みを引き裂かれるような激しい痛みと表現する人もいます。 また、断裂が深くなると断裂部に陥没が起こることもあります。

治療法・予防

軽度の肉離なら安静(Rest)、冷却(Ice)、圧迫(Compression)、挙上(Elevation)を合わせたRICEで応急処置を施します。この後は、テーピングなどで患部を固定します。この際、血行を促進するために周囲筋を弛緩させる手技療法や電気療法をすると回復を早めることが期待できます。

一度肉離れを生じると筋肉は極端に痩せてしまうため大幅な筋力低下が起こります。 運動を再開するまでには相当の時間を要します。肉離れを起こさないためにも運動前・後には必ずストレッチを行いましょう。