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三角筋の痛み

三角筋とは二の腕の上の部分で、肩の関節を覆うような形の筋肉です。 この三角筋の炎症を起こしやすいのは、スポーツ選手ばかりではなく、歯科医師、美容師など常に腕を上げて仕事をしている方に多く見られます。

三角筋を痛める原因としては、先に挙げた職業的な原因や、野球やバスケットボールなどのスポーツによる過酷な条件下での使用による場合がほとんどです。

症状

腕を前に上げたり、横に上げたりするときに痛みが走ります。この三角筋を痛めてしまうと、かばうため、腕ばかりではなく、首や肘などの動きにも制限が加わり、動かすたびに痛むようになります。

三角筋は腕を上に上げるための筋肉とも言えるでしょう。 その機能は重要で、重い腕全体を上に上げることにより、実際の腕の重さに加えて、約4倍の重力がかかると言われ、それを支えているのが三角筋なのです。 特に、三角筋の下の部分、腕に付いている筋肉の炎症が一番多い症状です。

治療法

治療法としては、電気療法(干渉波、低周波)があり、痛めた筋肉に有効な周波数を用いて治療します。 その他、テーピングによって痛めた三角筋をフォローして負荷を軽くします。 また、一番有効と言われている、手技療法もあります。

予防法

予防法として有効な方法としては、ストレッチがあります。 具体的な方法は、手を組んで腕を前に上げそのまま、組んだ手を外側に回します。ちょうど手のひらを前に向ける形です。 そして、そのまま下にゆっくりと下ろしていきます。

この時、注意する点はとしては、無理に伸ばしたり、勢いをつけないで下さい。かえって三角筋を痛める原因になります。

肩こり

日本人の肩こり人口は世界一と言われているほどです。それほど日本人にとってはポピュラーな症状といえます。現代の医学では肩の筋肉の中にコリの原因となる乳酸などの物質が溜まることにより引き起こされると言われています。 頚椎は重い頭を載せている上にその可動範囲も広く、そのため頚椎や脊椎が変形することによっても肩こりを起こすこともあります。

症状

症状が軽い場合には、一般的に言われている肩が張る、というようなものですが、肩こりもひどくなると痛みとして感じるようになります。 さらに症状がひどくなると緊張型頭痛を発症することもあります。

治療法

治療法としては、電気療法(干渉波・低周波)、手技療法、テーピングによって筋肉を休ませて血流を回復させる方法などがあります。

また、原因が骨の並びにある場合もあります。これは、先天性のものから、加齢によるものまで様々です。その他にも、高血圧や低血圧によっても肩こりは生じます。

骨の並びの悪さが原因の場合、比較的有効な治療法としては、手技療法があります。 この療法は何度か治療を受けることにより、肩こりを解消することができます。

予防法

一番の予防法は正しい姿勢を保つことです。 例えばデスクワークなどで前かがみになって仕事をしている方の場合、意識的に首を回したり、肩を回したりすることやストレッチでかなりの予防になります。

また、週末などの休みの日にはできるだけ運動を習慣付けることも重要です。 ストレス解消にも効果的で、普段緊張してする肩や首の筋肉をほぐします。

胸郭出口症候群

痩せている方で、なで肩の女性に多く見られる症状です。 年齢的には20代~30代が中心になっており、鎖骨上部の凹んでいる部分から鎖骨と鎖骨の下にある小胸筋の間を胸郭出口と呼んでいます。 ここには、上肢に関係する神経や血管が多く通っていますので、肩や腕の痛みやしびれなどの症状が現れます。

症状

主な症状は肩の痛み、しびれ、血流が悪くなるために、手のむくみや、肩や腕の冷えなどがあります。 類似する症状に肩こりがありますが、これとは全く違う原因です。

また、ムチウチや肩の外傷が原因で症状が出たり、人によっては、めまいや吐き気などの自律神経症状が出ることも特徴です。

検査法

検査方法としては、主に下記の3つがあります。
ライトテスト
肘が直角になるまで前腕を肩より上に持ち上げた時に、撓骨動脈が止まったり、とても弱くなることによって胸郭出口症候群と認められます。また、ライトテストの状態で3分間手の開閉を行い、胸郭出口症候群の発症を再現することもあります。
アドソンテスト
首を伸ばした状態で頭を左右に振ると、撓骨動脈の脈がとても弱くなることが認められます。
モーリーテスト
鎖骨の上の窪みを圧迫すると、局所の痛みと腕への走るような痛み、もしくはシビレが出現すれば胸郭出口症候群と認められます。

治療法

治療は基本的には温熱療法(遠赤外線・サーモ)で患部を温めることが有効とされています。 併せて行われる治療としては、電気療法(干渉波・低周波)や手技療法(トリガーポイント)などがあります。

それでもなお症状がひどい場合には、第一肋骨を削ったり切除するなどの外科手術が行われます。

また、とくに症状がひどくなりやすい方としては、美容師さんのように、常に腕を上に持ち上げた状態で仕事をしている方や、筋肉トレーニング等で鍛えている人です(腕の重みに体幹の深い筋肉が引っ張られているため神経を圧迫されるからです。)。 症状がひどくならないうちに受診することをおすすめします。

インピンジメント症候群

インピンジメントは野球、テニス、水泳など腕を大きく動かす運動によって発症します。 肘をまっすぐに伸ばして下から上に上げていくと、ペインフルアークという痛みを感じる角度があります。 この角度は概ね60度から120度の間で起こります。 また、原因はスポーツばかりではなく、加齢による場合もあります。

症状

腕を動かした時に、引っかかる感じやきしむ感じがしたり、肩より上に腕を上げた時、痛みを生じます。 痛みは夜間のほうが強く感じることが多いことが特徴で、長い間肉体労働や水泳、野球、テニス、バレーボールなど肩を使ったスポーツを続けてきた方に多く見られる症状です。

腕を上げる時に使う筋肉の棘上筋と三角筋の2つの筋肉を使います。 この2つの筋肉のバランスが崩れると、棘上筋が三角筋よりも弱くなり、腕を上げた時上腕の骨が肩甲骨に当たり、回旋腱板が挟まれて炎症を起こします。

治療法

インピンジメント症候群は、少しずつ症状が進みます。具体的には数週間から数ヶ月の間で発症します。従って、その時の症状に合わせた治療法が必要です。 三角筋と棘上筋に手技療法や干渉波・ライズトロンを当てて筋肉を弛緩させる治療法や、テーピングでの筋肉のサポートなどがあります。そして、その後の姿勢の矯正が一番大切です。

予防法

インピンジメント症候群の予防には、スポーツなどをする際に肩を十分な準備運動でほぐしておくことが大切です。 たとえば、ストレッチやマッサージなどのケアを行ったり、運動前はウォームアップ・運動後にはクールダウンしましょう。その後は肩を冷やさないようにいたわることも重要です。

また、体幹を使うことにより、肩にかかる負担がより少なくなります。

上腕二頭筋長頭腱炎

二の腕の力こぶになる筋肉を上腕二頭筋と呼んでいます。二頭筋と言うので、短頭筋と長頭筋2つの筋肉で構成されています。 この筋肉の長頭腱の炎症が上腕二頭筋長頭腱炎です。テニスや野球など腕と肩を使うスポーツをする方に多く見られます。 この症状は比較的多く発症しています。

症状

長頭腱は肩甲骨につながっており、腕に達するまでにとても複雑な経路を経ています。 肩甲骨から始まった長頭腱は、肩の関節の中を通って外側に出てきますが、その際に結節間溝という骨にある凹みを通る形になります。 上腕二頭筋長頭腱炎はこの凹みを通る腱が骨との摩擦などによって炎症を起こして発症します。

具体的な症状としては、肩の関節が痛んだり、二の腕から肘より先にかけて痛みがあります。 この痛みにより、重いものを持ち上げたり、エキスパンダーのように腕を外側に向ける動作に制限が出てきます。

検査法

代表的なテスト法は下記の3つです。
スピードテスト
前腕を外側に向け、腕をまっすぐに伸ばした状態で腕を上に上げ、腕の前の部分を圧迫した時に肩に痛みが生じるようでしたら、上腕二頭筋長頭腱炎の疑いがあります。
ヤーガンソンテスト
肘の関節を90度曲げ、手の平を上にした状態で固定します。そして、前腕部に力を加え患者さんが内側に手を戻そうとするときに肩に痛みが生じた場合、上腕二頭筋長頭腱炎の疑いがあります。
エルボーフレクションテスト
肘の関節を90度曲げ、手の平を上にした状態で固定します。そして、肘を曲がらないように抵抗をしてから、肘を曲げる時に肩に痛みが生じた場合、上腕二頭筋長頭腱炎の疑いがあります。

治療法

治療法は、過度に筋肉を使ったために起きる症状ですので、筋肉を弛緩させる必要があります。 干渉波、手技療法、ライズトロンによる血行の促進や痛みを緩和するなどの治療法があります。

四十肩・五十肩

中年期以降に起こる肩関節の痛みです。腕を動かす際に肩に激痛が走り、腕を自由に動かすことが難しくなる症状です。 特に、両腕を頭の後ろに回す結髪運動や、腰の後ろに回す結帯運動ができなくなります。

体操やストレッチ・手技療法などにより、早期の治癒を目指せます。

症状

肩の関節は靭帯や腱などに囲まれており、加齢と共に骨格の歪みからこれらの組織が炎症や癒着などを起こすために、肩の動きを悪くなり、痛みを伴います。 また、何もしていなくても痛みがある場合(自発痛)や夜間痛も出る場合があります。

治療法

治療法については、発症してすぐのいわゆる炎症期の場合、温めるのではなく冷やすことが大切で、安静にしていることが重要です。 その後、拘縮期(固まっていくこと)以降には様々な治療方法があります。まず、電気治療の干渉波は肩の動きに関係する三角筋、棘下筋、肩甲拳筋、大胸筋など幅広い筋肉に干渉波を当て、筋肉を弛緩させます。 手技療法では肩の関節の本来の動きに沿った運動を加え、筋肉を調整していきます。その他にも赤外線による温熱療法、より深い筋肉を弛緩させるライズトロンなどがあります。これらの療法を併用することにより、短期間で痛みを取り除き、自由に肩を動かせます。

予防法

普段から気をつけておきたいこととして、肩を冷やさないことや姿勢が大切です。 また、肩を使った運動や体操を日頃から実践することも四十肩・五十肩の予防になります。この場合、はじめから無理をしてしまうと逆効果になりますので、最初はゆっくりと少ない回数から始めていきましょう。