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外脛骨障害

外脛骨障害はセーバー病、オスグット病と同じく成長期の子供多い疾患で、足の内側の骨が出っ張り始め、炎症を起こすと痛みの症状が出始めます。 基本的に治療の必要はなく、痛みが引くまで運動を控えることで症状は治まりますが、症状を悪化させてしまうと外脛骨を摘出する手術療法が必要になることもあるため注意が必要です。

原因・症状

外脛骨は内くるぶしの下側にある丸く小さな骨をいいます。 外脛骨は全ての人に存在しているわけでありません。小学生から中学校のいわゆる思春期を迎えた子供の約15%に形成される骨です。外脛骨があるからといって必ずしも痛みの症状が出るわけではなく、大半のケースは無症状なのです。

しかし、10代の時期に激しいスポーツを繰り返し、過度な負担をかけてしまったり、その部分もしくは周辺に外傷を負うことで炎症を起こし、結果として痛みが現れることがあります。

ただし、痛みの症状は生涯続くわけではなく、骨の成長が止まる17~19歳になると突如として消えてしまいます。スポーツで受ける衝撃が原因にも関わらず、成長期の子供しか現れない珍しい疾患なのです。

治療法・予防

痛みの原因が外脛骨によるものなのかを確認するはエックス線検査やMRI検査が有効です。外脛骨障害の治療は 炎症が治まるまで運動を中止し安静に保つことで痛みの緩和をさせます。これは、はっきりとは言えませんが、痛みを早く取るのに筋肉からの問題が関与しているようであれば、手技療法などで緩和することも考えられます。 ただし、長期間痛みが消えず運動に支障が出ているケースでは、治療期間を短くする目的で外脛骨を手術で摘出する場合があります。

外脛骨による痛みの症状を予防するには、足にあったシューズ選びや、土踏まずをしっかりサポートできる中敷き(インソール)、運動後のアイシング、ストレッチなどが効果的です。

セーバー病

セーバー病は別名「踵骨骨端症(しょうこつこったんしょう)」とも言われ、かかとに痛みなどの症状を起こす疾患です。

主に10歳前後の男の子に多く見られる疾患で、痛みはジャンプの着地時に強くなります。 炎症が原因となりセーバー病を起こしていることがほとんどですが、中には軟骨が骨折していることもあるため注意が必要です。

原因・症状

セーバー病はオスグット病などと同じく、成長期の子供に多い疾患です。 これは発育途中の骨に強い力が繰り返し加わることで炎症を起こし、これが痛みを起こす原因になります。つまり運動のしすぎ、オーバーユースが原因です。 具体的には縄跳びやバスケットボールなどが痛みの原因になりますので注意しましょう。

人がジャンプするとアキレス腱が強くひっぱられ、着地時には踵の軟骨に大きな衝撃が加わります。 成長途中の子供骨は衝撃に弱いため、この動作によって炎症や軟骨の骨折を起こしてしまうのです。

症状としてはアキレス腱周辺の強い痛みです。 痛みは運動時に強くなりますが、セーバー病では安静時にも痛みがありあます。 また、骨中の血管が切れてしまい、血流障害が起こると踵骨が壊死することもありますので、必ず治療を受けるようにしましょう。

検査法・治療法

セーバー病は原因が炎症の場合と軟骨の骨折の場合があるため、まずはエックス線検査をして確認します。 治療では運動を中止し、炎症が治まるのを待ち、アキレス腱周囲の筋を手技療法や電気療法(干渉波・低周波)で緩めて負担を少なくします。歩き方を工夫して踵にかかる負担を軽減することや、踵のクッションが優れたシューズに履き変えることも有効な治療法になります。痛みが強い場合には松葉杖を使って負担を避けるのもいいでしょう。

セーバー病やオスグット病は成長痛として安易に捉われがちですが、症状が進行すると骨が壊死することもある大変怖い病気なのです。 また、症状を放置することはスポーツに打ち込む子供の貴重な時間を無駄にすることになるため、痛みの症状が現れたら必ず治療を受けるようにしましょう。