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遠位前脛腓靭帯損傷

遠位前脛腓靭帯損傷は足首に強い衝撃を受けた際に、くるぶしの上部にある遠位前脛腓靭帯を損傷する疾患で、足首の前方に痛みを生じます。いわゆる足首の捻挫の一つです。

ジャンプの着地時に起こりやすくバスケットボールやバレーボールのようなスポーツで多発しています。靭帯の損傷は微小、部分、完全に分類され程度により治療方法が異なります。

原因・症状

遠位前脛腓靭帯は弁慶の泣き所の少し下部分にある靭帯です。ジャンプの着地時に足首を捻ったりすると、その衝撃で距骨(足首の下にある骨)が脛骨(脚の内側の骨)と腓骨(脚の外側の骨)の間にもぐりこんでしまい、脛骨と腓骨を繋げている遠位前脛腓靭帯を損傷してしまうのです。

靭帯の損傷は程度の低い微小断裂、痛みが強くなる部分断裂、歩くことが困難になる完全断裂に分かれており、完全断裂を起こすと手術による靭帯の再建が必要になることもあります。

症状としては足首前方の痛みと腫れです。痛みは損傷の程度により異なり、部分断裂までならば、それほど強い痛みはでません。しかし、遠位前脛腓靭帯と同時に外側(側副)靭帯(足首周りの外側にある色々な靭帯の総称)をも損傷してしまうと、痛みも強くなるため歩行困難を生じることもあります。

治療法・予防

検査は、足関節の高さにある部分を押すことで痛みが増すかどうかを見てきます。 痛みが増すようであれば靭帯損傷が疑われます。

治療は損傷程度により異なりますが、微小や部分断裂であれば包帯やテーピングなどでしっかりと固定をし、靭帯がくっつくのを待ちます。固定をしっかり行わないと靭帯がゆるんだままくっついてしまい、関節が不安定になります。併用して電気療法(干渉波・低周波)や手技療法をしておくと復帰が早まります。痛みが強いときは湿布を用いるといいでしょう。損傷度合いや生活習慣によりますが、おおよそ4週間で痛みはなくなり、6週目からは運動を再開することができます。