二の腕の力こぶになる筋肉を上腕二頭筋と呼んでいます。二頭筋と言うので、短頭筋と長頭筋2つの筋肉で構成されています。 この筋肉の長頭腱の炎症が上腕二頭筋長頭腱炎です。テニスや野球など腕と肩を使うスポーツをする方に多く見られます。 この症状は比較的多く発症しています。
症状
長頭腱は肩甲骨につながっており、腕に達するまでにとても複雑な経路を経ています。 肩甲骨から始まった長頭腱は、肩の関節の中を通って外側に出てきますが、その際に結節間溝という骨にある凹みを通る形になります。 上腕二頭筋長頭腱炎はこの凹みを通る腱が骨との摩擦などによって炎症を起こして発症します。
具体的な症状としては、肩の関節が痛んだり、二の腕から肘より先にかけて痛みがあります。 この痛みにより、重いものを持ち上げたり、エキスパンダーのように腕を外側に向ける動作に制限が出てきます。
検査法
代表的なテスト法は下記の3つです。
スピードテスト
前腕を外側に向け、腕をまっすぐに伸ばした状態で腕を上に上げ、腕の前の部分を圧迫した時に肩に痛みが生じるようでしたら、上腕二頭筋長頭腱炎の疑いがあります。
ヤーガンソンテスト
肘の関節を90度曲げ、手の平を上にした状態で固定します。そして、前腕部に力を加え患者さんが内側に手を戻そうとするときに肩に痛みが生じた場合、上腕二頭筋長頭腱炎の疑いがあります。
エルボーフレクションテスト
肘の関節を90度曲げ、手の平を上にした状態で固定します。そして、肘を曲がらないように抵抗をしてから、肘を曲げる時に肩に痛みが生じた場合、上腕二頭筋長頭腱炎の疑いがあります。
治療法
治療法は、過度に筋肉を使ったために起きる症状ですので、筋肉を弛緩させる必要があります。 干渉波、手技療法、ライズトロンによる血行の促進や痛みを緩和するなどの治療法があります。