アキレス腱断裂は名前の通り、アキレス腱が断裂してしまう疾患です。 前十字靱帯断裂と同様に、スポーツで起こる外傷の中では重症度が高い疾患です。
筋肉の収縮が限界を迎えることで起こるのですが、断裂すると激しい痛みを伴います。 また、断裂は部分的なものと完全断裂に分かれ、完全断裂を起こしている場合は手術が必要になります。
原因・症状
アキレス腱は正式には「踵骨腱」といい、ふくらはぎにある下腿三頭筋が束になってできたものです。元々、他の筋肉とくらべ非常に細く出来ているため、断裂や炎症を起こしやすい部分なのです。 アキレス腱の断裂を起こす原因は筋肉の収縮に限界がくることです。
急激なダッシュや方向転換などの動作では、筋肉が急激に収縮します。 この時、アキレス腱を強く伸ばしてしまうと、ふくらはぎの筋肉が限度を超えてしまうため断裂を起こすのです。断裂時に後ろからバットやボールなどでぶつけられたり、蹴られたような感覚があります。完全断裂した時には「ブチッ」という切れた音がするケースがあります。
症状は、爪先立ちができなくなりますが、自分で寝ながらの足を下に動かすことは違う筋肉によってできます。部分断裂なら踵周辺の痛みや腫れを生じます。 また歩くことで痛みを感じたり違和感を覚えることもあります。 完全断裂をしている場合は激しい痛みと腫れを生じ、歩行することも困難になるでしょう。 断裂した直後ですと、アキレス健部分が陥凹しているのも特徴です。
治療法・予防
完全断裂の場合は、断裂部を縫合する手術を行うのが一般的です。 術後4~8週間はギプスで固定することが必要になります。運動を開始には最低でも半年ほど時間がかかります。部分断裂の場合はアイシングやストレッチと手技療法、電気療法が有効です。 特に血行が悪い部分のため、手技療法や電気療法(干渉波・低周波)を使うことで回復を早めることが期待できます。
アキレス腱断裂を予防するには、ウォーミングアップをしっかり行い筋肉を伸ばしておくことです。また、下腿三頭筋の筋力アップも効果的でしょう。